仕入れた商品が思うように売れない。値下がりしてしまった。
このような悩みは初心者だけでなく、ある程度経験を積んだ人でも抱えてしまいがちです。
このようなときは損切りをして、赤字になってもよいので早めに売り切っていくことが重要になってきます。
損切りの上手な人はどんどん稼げますし、そうでない人は伸び悩むことが多く、たいていは資金繰りに困ってしまいがちです。
なぜそのような差が生まれるのでしょう?
この記事では、損切りのメリットや、損切りをしなければいけない理由についてお伝えしていきます。
- この記事の内容
なぜ損切りが必要なのかわからない
キャッシュフローを改善したい
損切りを決断するタイミングが決められない
このようなお悩みにお答えします。
- この記事の信頼性
売れ残った商品は損切りしよう
売れない商品を赤字で販売することを、損切りと言います。
赤字で販売すると損したように感じますが、実はそうではありません。
売れない在庫を理由もなく持ち続けていることこそ損であり、資金ショートの入り口に立っているのと同じことになります。
稼げるタイプの人は失敗にこだわらず、サッと損切りするので仕入れ資金に困ることがありません。
いつも資金があると、仕入れの経験をたくさん積むことができます。
そのため、成長スピードがとても速いのです。
失敗から学んでいるので、売れにくかった理由を考えて次の仕入れに活かすこともできます。
そうすると失敗が減り、仕入れが上手になります。
売れない在庫をそのまま持ちつづける癖のある人は、自分の仕入れを失敗だと考えていないので、また同じような仕入れをしてしまいがちです。
結果的に仕入れのスキルがあまり上がりません。
損失を出すのを嫌うあまり、売れる商品だけを売って売上でカバーしようと考えます。
売れない商品を持ち続けると、ちらほら売れることもあります。
しかし現実は、追加で仕入れた売れない商品と入れ替わっているだけなので、いつの間にか不良在庫が増えてしまがちです。
やがて不良在庫の価格が膨大になり、資金が回らなくなって廃業してしまう人も少なくありません。
損切りのタイミングは「自分ルール」で厳格化しよう
損切りしても損ではない
具体的にはどのタイミングで損切りをするべきでしょうか。
これは商品それぞれで状況が異なるので線引きが困難ですが、管理しやすい方法のひとつに、仕入れた時にいつまでに売るのか期限を決めておくやり方があります。
たとえば、「販売開始から30日を過ぎて売れ残った商品は損切りする」といった自分ルールを設定しておきましょう。
例として、50万円で100個の商品を仕入れたとします。
50万円以上売り上げが立てば儲かったことになる(わかりやすく手数料などは考慮せずにお話しします)ので、売れ残った在庫をそっくり翌月にシフトすることも戦略の一つです。
しかし、売れ残りの在庫価格が20万、30万と増えていってしまうリスクもあります。
ここで、 「販売開始から30日を過ぎて売れ残った商品は損切りする」 という自分ルールを発動させるのです。
ルールを厳守して 売れ残りをすべて売り切ってしまえば、全体ではすでに儲けが出ているので損にはなりません。
不良在庫が増えるリスクも、0に保つことができます。
これが損切りをしても損をしない、むしろ儲かる(資金が増える)理由です。
損切りを極端に嫌ったり迷ったりしがちな人は、この全体を見る視点が欠如してしまっているために失敗しやすくなります。
とはいっても、
そもそも寝かせる前提で仕入れた商品
相場の回復時期が予測できている商品
順調に販売できている縦積み商品
こららまで損切りで処分することはありません。
持ち続けることに明確な根拠があるのであれば、自信をもって在庫を抱えましょう。
いつか売れるかもしれないから…という薄弱な理由は持ち続ける根拠にはなりません。
そのような商品なら、潔く損切りして現金化していくほうがよいです。
返品商品も丸損では終わらせない
売れ残る商品だけではなく、返品されてしまった商品についても、できるかぎりすばやく現金化しましょう。
返品されてしまうと丸損なので、売れ残った時より気分が落ち込んでしまいがちです。
しかし、もし動作確認して再販可能な状態であれば中古として販売し、すばやく損切りをすることが大切です。
ヤフオク!やメルカリでは、使い物にならない不良品でもジャンク品として販売できる可能性があります。
返品は、まとめて処理しようとすると金銭面だけでなく精神的にもおっくうになるので、なるべくなら、すぐに対応することをおすすめします。
断捨離のつもりで、無理やりにでも気持ちをリセットしていきましょう。
このように、健全なキャッシュフローを保つためには欠かせない損切りですが、やはり一番には黒字を出すことが重要になります。
できるだけ損切りをせずに済むような工夫や努力をしていきましょう。
損切りを避けるために、まずは最大限の売れる努力を惜しまない
価格の見直し
まず価格が適切かどうかを見直しましょう。
Amazonの新品販売であれば、カートを取れていないと売れにくくなります。
ショッピングカートボックスを取得できるよう、価格にはいつも注意を払い、黒字で売り上げを伸ばすことに全力で取り組んでいきましょう。
中古販売であれば、同一コンディション内で一番安い価格に調整することで、かなり売れやすくなります。
これらの作業は手動で管理しようとすると大変な手間になるので、価格改定ツールを利用していきましょう。
Amazonであれば無料で利用できる価格改定ツールが標準で用意されています。
そのほかにも価格改定ツールとしては、マカドやプライスターといった有料のものがあります。
Amazonの標準搭載ツールに比べて使いやすく、多機能なところが特徴です。
トータルの在庫価格が一目で確認できたり、月の利益の自動計算、棚卸にも役立つのでキャッシュフローを改善しやすいのが強みです。
商品説明や写真の良し悪し
メルカリやヤフオク!で販売する場合や、Amazonで中古品を販売する場合には、商品説明の内容や写真掲載の出来栄えも売上を左右する重要なポイントです。
写真はなるべく丁寧に、1枚だけではなく複数枚でアピールするのがコツです。
商品説明は、商品の状態について書くのはもちろんですが、付属品があればその情報もなるべく詳しく記載すると売れやすいです。
キズや汚れなどの欠点がある際は正直に記載するほうが、信用を得やすくなります。
むしろそうした商品が売れると、高評価をもらえる確率も高いです。
欠点部分については写真付きで説明すると、より効果的です。
写真や説明文は、他の出品者を見て参考にすると勉強になります。
自分が購入者になったつもりで、どの出品者の商品を買いたくなるかを注意深く分析してみましょう。
写真の撮り方が上手だったり、商品説明が丁寧で魅力的など、見習える部分があるはずです。
そもそも需要のある商品かどうか
仕入れた時は、売れると考えたから仕入れているはずです。
それが売れなかったのなら、仕入れ判断が甘かった可能性もあります。
出品者が急増して値下がりをしてしまった
→ 誰でもすぐに仕入れできる商品ではなかったか?
高値で売れると思ったのに売れない
→ 実際にはもっと安い価格帯でしか売れていないのでは?
廃盤を仕入れたのに需要がなくなった
→ 安い新モデルや後継機に需要が移っていないか?
など、失敗した原因をあぶり出すことがとても重要です。
原因を考えながら損切りをすると、次回以降の仕入れに活かすことができます。
これが積み重なって仕入れ判断が上達します。
損切りの経験が貴重な財産になるので、勉強代だと捉えれば安いものです。
たとえ仕入れが上達しても、100%黒字販売することはどんなベテランにも不可能です。
むしろ売り上げの高い販売者ほど、100%に近づける努力を惜しまず、適切に損切りをして資金を上手に増やしていることを憶えておいてください。
まとめ
- 不良在庫は悪。資金を圧迫する前に積極的に損切りを。
- 商品単位の赤字は損ではない。売上全体で黒字ならば問題なし。
- 損切りのタイミングは自分ルールを決めてしっかり管理する。
- 販売努力も怠らず、健全な売上を目指していきましょう。